版画の下絵は、大事な部分を大きく描く
堀田 幸雄
「リコーダーをふくぼく・わたし」を描く。
「リコーダーをふくぼく・わたし」で特に大事な部分は、指・口・リコーダーの3点である。
極端な話、この三つの部分だけあれば、後はいらない。
他の部分は、カットしてもかまわない。
口だけではおかしいので、鼻・目も画面の中に入れることにする。
はじめに、四つ切り画用紙を配る。
黒か茶色のコンテを用意する。コンテで描く。
リコーダーを各自用意して、画用紙の横に置かせる。
指示1 リコーダーを描きなさい。 実物より、太く・長く描きなさい。 |
リコーダーを描かせると、だんだん細くなってくる。細くならないように注意する。
リコーダーが描けたら、指づかいを描かせる。
指づかいが、下絵では大事な部分である。じっくり描かせなければならない。
手を描かせると、普通だと図1のようになる。
リコーダーを軽くにぎっている指づかいを描かせる。
次のような指示を与える。
指示2 指を描きます。指を見ると、二カ所で曲がっています。 指を描くときは、曲がるところは必ず曲げて描きましょう。 |
これで、指づかいを意識して描くようになる。
指が描けたら、口・鼻・目を描いていく。
口・鼻・目を描いたら、顔全体を描く。
顔の部分を描く順番は、
口→鼻→目→まゆ毛→かみの毛→耳→顔のりんかく |
と描かせていく。
他の部分も、
うで→どう体→服のもよう |
と描いていく。
ここまでで、下絵を描くのは終わりである。
次に下絵を版画版に転写する。
転写するときには、転写インクを用意する。
四つ切り画用紙は、53.8p×38pである。
版画版は、36p×26pである。ふたまわり違う。画面を版画版の大きさにする。
四つ切り画用紙を、版画版の大きさで切り抜いた枠を用意する。(図2)版画版の大きさに、画面を構成し直す。
この画面構成で
指づかいを、画面の中に残しておく。 |
ことである。
画面構成の時、図3のようになりがちである。しかし、図3のように枠を入れると、大事な三カ所が入れなくなる。
枠の中で一番長い線は、対角線である。対角線を利用して枠取りをする。(図4)
枠の位置が決まったら、枠に沿って線を引く。